スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  

Posted by ミリタリーブログ at

2010年06月30日

USMC CD Jacket 180S

USMC Combat Desrt Jacket 180S

アメリカ海兵隊 CDJ (砂漠戦用ジャケット)は名称の示す通り、砂漠地域の特殊な自然環境に対応するために開発された戦闘用ジャケットだね。開発趣旨から今現在、イラク/アフガニスタンへ派遣される陸上戦闘部隊にのみ供給されていて、当然、色はデザート・マーパットのみが製作されている。
 ジャケットの成り立ちもかなり特殊な部類にはいると思う。各部分で違う素材を複合的に組み合わせており、異なる性質の生地を効果的に使用する試みにあふれている印象だね。生地は主にゴアテックスを表面に使って蒸れを防止しながら、ソフトシェル素材で保湿効果を持たせてある。
またシルバー・ファイバー X-Static処理をして、除菌性能をも併せ持っているのも新しい試みかな。



 砂漠地の過酷さは乾燥した大気だけでなく、昼夜の気温差に代表されるように一日にめまぐるしく変わる環境の変化で知られる所だ、それゆえCDJは昼間に通気性の高い素材で身体ストレスを和らげ、夜間に身体中心熱を失わないように製作されている。そのため各部分で異なる特性の生地を使用し、立体裁断を施すなど身体の動きを阻害しないように配慮されている、また軽量で持ち運びの容易さも考慮されている。
 アウトジャケット素材としてのゴアテックスはもはや山用品だけでなく作業用雨具、民間用レインコートなどでも一般的なんだけれど、軍用のゴアテックスは対赤外線処理がなされていることもよく知られるところだね。CDJでは最新の赤外線処理が施されあらゆるナイトビジョンから発見される危険性を低下させている。
この様に複合的な高いレベルの要求にこたえるため製作されたのがCDJですね。

 海兵隊は新型の全天候被服システムの開発で陸軍とは異なる姿勢を見せているようだ。陸軍が開発したGen.Ⅲのようなレイヤーシステムの導入をあきらめてしまったと見る向きがある、従来のパーカーをアウターハードシェルとして帰結するAPECSを採用を中心に装備を進めてゆくつもりだというのだ。
 極地での使用条件でAPECSに不具合が生じた場合に特別な仕様のCDJみたいな被服で補ってゆくつもりなのかね、それとも一過性の実験品として開発したものなのだろうか。CDJの開発に当たり、すべての海兵隊の正規官給品としては適さないと極地(砂漠)での使用を条件としていることが伺える文言があるし、限定的な官給品であることも確認されている。勿論、海兵隊が発注した数量も限定的らしいね。

結構、このCDJは面白い作りをしているので細かく紹介してみたいと思っています。そんな訳でVol 2に続きます。

Text By TAC

 
 この度、イベントのみで販売をしてきた当USARV-TAGですが、ミリブロマーケットにて通販業務を開始することになりました。本格的な業務開始は2010年7月7日の予定です。ただいま先行的に商品を掲載し始めておりますが、開店準備のため配送準備が完了しておりません。ご注文は可能ですが場合によっては7月7日まで配送が出来ない場合がありますのでご了承ください。7月5日以前の配送可能商品に付きましてはメールにてお問い合わせください。また、ご利用に際しましては利用規約をお読みいただいた上でご注文ください。

 今回のCDJを始め、数量限定品や一点ものを数多く取り扱いますのでよろしくお願いします。7月2日から4日までは定休日となります。http://usarvtag.militarymarket.jp/
  


2010年06月28日

Gen.3  パーカー Lv.6

Gen.Ⅲ ECWCS Level 6 Parka



 五月晴れってのが、印象に薄いまま梅雨になっちまった。農作物にとって特に稲作には必要な時期であることはなんとなく分かっているんだけど、あんまり得意な季節ではないね。傘を常に持って歩くのは面倒だし、それが濡れた傘だとさらに気が重い。服が濡れると重いし、冷たいし、肌に張り付いて気持ち悪い。ずぶ濡れになると気は滅入るは惨めな気分になるはで、とても雨に歌う気にはならないな。
 都市で生活する私なんかは結構忘れがちなんですけどね。雨に濡れるということが不快だということ位にか感じなくなっていたりするね。実際、水を蒸発させるのには多量の熱量を必要とすることを見落としがちだったりする。
つまり、ずぶ濡れになった衣類が容赦なく着用者の体温を奪い続けるという事実がある訳だ。雨具を持たない軽装のハイカーが夏山に出かけて凍死体で発見されるなんて事もある。
 結構、雨具や体温を調整する衣類は人が長いことかけて培ってきた技術のうちの一つともいえると思うな。

Gen.Ⅲ ECWCS レベル6 パーカー アメリカ陸軍が採用した第三世代型 寒冷地衣料システムがレベル1から7までで一揃いになっている事は知っている人も多いでしょうね。Gen.Ⅲは旧式化した防寒システム(M65フィールドジャケットとかね。)やこれまでのGen.ⅠやGen.Ⅱに替わる最新の寒冷地衣料システムとして2003年にNaticにて開発が進められた。
2004年には陸軍はこの新型ECWCSのテストに入り、アフガニスタンに展開する第十山岳歩兵師団や第八十二空挺師団を通してデーターを集めた。2006年秋から2007年冬にかけて第十山岳歩兵師団を中心に実験装備された。2008年7月には正規の官給品として採用されることになった。

 このレベル6はアウターのパーカーであり、寒冷地から多湿地で使用するように開発されています。寒冷地に対応するといっても、このパーカー自体には保温性能を持たせているものではなくて、レベル1から3までのインナーを合わせることによってあらゆる環境に対応させようとするものだね。つまり寒いところでは保温性の高いインナーを選んで重ね着することになるし、暑い地域では放熱性の高いインナーを選んでゆくということだね。
 この様にレベル6は風雨から身を守って、体温の低下を防ぐ機能を担っているようだね。雨具のカテゴリーに属するアウタージャケットと言えると思う。最近の言い方ではハードシェルと言えば分かりやすいな。
Gen.Ⅰから研究を重ねているだけあって相対的に完成度は高いと思う。特に止水に関してはよく考えられていて、かなり快適に雨天を過ごせそうに思える。


 レベル6の裏地の部分。ステッチ部分にシールがなされていて縫製部分から雨水の浸透を防いでいる。コイルジッパーが採用されているので防水ジッパーよりは雨天に対して有効ではないと思うけれど、現在のコイルジッパーの性能はかなり高いので使い勝手が今一で壊れやすい防水ジッパーを採用しなかったことは理解できるところだね。

従来のゴアテックスパーカーに比べて新素材の採用により、軽量でかさばらない点は特筆できるところだと思う。着用しない時にバックパックに収納する際もそれ程、容量をとらないと言うことは装備をコンパクトにまとめておきたいすべての人の要求にこたえるものだね。


表面生地は撥水性に優れ、裏面に防水コーティングが施されている為、かなりの風雨でも心配要らないように感じる。反面、通気性という点では劣る様で従来のゴアテックス等に代表される快適性は若干損なわれていうように思う。
表面に付くスライド・コイルジッパーは内側に着たジャケットのポケットにアクセスするためについているものなので、レベル6単体でのポケットとは機能していない。あくまで重ね着をした場合の一番外側に来るジャケットとして設定されていて、一連のシステムとして機能するようにデザインされているものだ。
サイズ的にも表示サイズに比べて大きめにゆとりをとって製作されているのも内側にフリースやレベル4 ウインド・プルーフジャケット、レベル5 ソフトシェルジャケットを着ても動き辛くなることのないよう配慮されているからでしょう。

Vol.2へ続く・・・。

TEXT By TAC

  


2010年06月19日

Marpat ユティリティーキャップ

US NAVY (USMC) Utility Cap : MARPAT




海兵隊のユティリティーキャップは以前にも取り上げたなぁ。3カラーデザートでね。アメリカ海軍が同型で海兵隊のマークのないものを採用していることも書いた。
そこで疑問だったんでですよ。現在は海軍も海兵隊のMarpatに似たパターンを採用しているけれども、Marpat登場以降に海軍は何を官給していたのかね。
陸軍がACUを採用し、そして空軍がABUを採用した。その間、海軍だけが旧式のウッドランドや3カラーデザートを発注し続けたのかどうかという疑問がね。

一説には海軍も一部海兵隊のMarpatを官給していたと言われ、海軍特殊部隊(Seal’s)が、それらしいものを着ている写真が出てきたり、海兵隊の物にUS NAVYのタブをつけたMarpatが出てきたりしたことがあって、それなりに信憑性のある話だった。アメリカの四軍がそれぞれ異なるカモフラージュを採用するに当たり、特に海兵隊ではパターンの中にまでUSMCの文字を入れる懲りようを見せていたし、もちろんインストラクションタグにもUS Marine Corpsの文字が入る。同じ海軍省に属するとは言っても、海兵隊のそのままをマーク入りのまま海軍が官給するのかな?とね、こう考えていたんですよ。
 そうこうしていたら数年前でしたか、Marpatに海軍仕様があるという話を聞きましてね。一応納得して、そのまま・・・忘れていたんですよ、ええ・・・そうしたら最近、偶然手元に海軍用のキャップが来まして、思い出したんです。


 一応、一枚目の写真では海兵隊マークが入っていない方が海軍用だということは一目瞭然だね。そして上の写真では裏生地の扱いが異なっている。ご存知、海兵隊用は裏生地もカムフラージュのある面を裏生地に当てている。海軍用はカムフラージュ面でない裏側が出るように裏生地を張っている。どちらもSEKRI INDUSTRIESという会社で製造されており、形状やパーツ、縫製に至るまで、ほぼ同一と思われる。


 赤丸で囲った部分にNAVY(海軍) と入っている。残念ながら個人名をマジックで消した際にMARPATと書かれている部分の上半分が一緒に消されてしまっている、登録商標が付いているのかいないのか確認できない。
DAADナンバーで実験規格で製作されていることが分かる。


赤丸で囲んだところに MARINE CORPS の文字が入っている。
勿論、二つともストックナンバーにおいて8405-01- 以降の番号が異なる。


 登録商標つきのMARPATなら海兵隊のマークとUSMCの文字がパターンの中に配置されているはずだが、海軍用のキャップには偶々、USMCマークがない部分の生地が使用されてしまったのか、それともマークのない生地なのか、マークがカムフラージュの中に確認できなかった。誰かこの海軍仕様のMARPATを持っている人がいたら生地が海兵隊のものと同一なのか否か教えてほしいですね。

Text By TAC