スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  

Posted by ミリタリーブログ at

2010年07月07日

USMC CD Jacket 180S Vol.2

USMC DCJ 180S Vol.2


砂漠での作戦に特化した戦闘用アウターとして開発されていると言う、CDJなんだけれど、実際の砂漠環境となると本当のところあまり、イメージの沸くものでもないな。
昼夜の気温差が40度近くなることもある。そんな過酷な環境だったり、砂嵐や昼間の焼けるほどの強い日差し、乾燥した空気とか特殊な自然の現象や状態であることは知識の上では知っているけれど、これまでの知識を経験で補いながらいイメージを作って「これは砂漠で使って見たら調子よさそうだね。」なんていえる様にはなりそうもない。
砂漠での使い勝手は検証できなくとも、これって、まあまあ日本で使えそうに思うよ。こんな感じの微妙な評価基準で前ええっ・・・進め!

 基本的には昼間の高い気温と日差しのため、通気を確保しながらコア熱を下げ、逆に夜間では急激に下がる気温に対して保温性能を持たねばならないわけだね、この辺は前回に生地の話なんかと一緒に書いているので興味のある人は目を通してください。


 全体的なシルエットは今アメリカ軍で流行のマルチレイヤーシステムのジャケット、スポーツジャケットのデザインの流れの中にあるものですね。丈は短く動きやすい反面、腰の辺りまでは覆うことができないので防寒としては不利になると思う。
 サイズ的にはスリムな印象でタイトなつくりとなっている。背中や腹部に伸縮するソフトシェルの生地や脇から腕にかけてとわき腹にかけて伸縮性の高い生地を採用して動きやすく作られているね。あまり、重ね着をするようには考えられていない印象で通常のMARPATシャツとかFROGなんかと合わせて使用する目的でデザインされていると思える程ではないにしろ、レイヤー3までを重ね着して使用する余裕はないと思う。シャツにフリースジャケットで一杯一杯ではなかろうかね。
 ポケットは表面に合計で4個、小型ポケットが左肩と左胸に一つづつ、腹部に大型ポケットが左右各一つづつ、ポケットはすべて防水ジッパーで開閉されるように出来ている。
 ジッパーにはすべてタブに長いナイロンテープがついていてあまり見た目に格好のよいものではないが、手袋を使用しての開閉が楽になっている。この辺もマルチレイヤーシステムの流れの中にある共通の配慮だね。実用に徹したデザインは個人的には好みだな。
 フロントのメインジッパーはこれも防水ジッパーでワンウェイ式となっている。陸軍のジャケットではコイルジッパーやプラスチックジッパーが多く採用される中、海兵隊のウエアーでは防水ジッパーを採用する流れになっているのだろうかね。


 ジャケット背面の写真。これでは確認しづらいのだけど肩から背中にかけて円形にステッチがあるのが分かるだろうか?ジャケット正面にも同形状のステッチがあるんだけど、この肩部分に使用されているのがゴアテックスになる。腰の部分にコヨーテ・ブラウンの生地に張り出している部分があり丁度、張り出しをつなぐと長方形に見える部分もゴアテックスを採用している部分になりますね。このジャケットに関して、ゴアテックスの採用は生地の補強と通気を目的にしているのではないか思う。砂漠では雨が降ることが稀だと言う事もあるが、バックパックのショルダーストラップやウエストパッド等で負荷のかかりやすい場所にゴアテックスを配置しているのがその理由で、動きやすくするためのコヨーテ・ブラウンの伸縮素材もわざわざ切り詰めて腰の部分にゴアテックスを施している。ジャケットのフロントでは肩の部分のみがゴアテックスで胸部から下はソフトシェル素材を使っている。
正面の写真では胸部と腹部の境にステッチがあるがポケットを分けるためのステッチであり、立体的な裁断とするためのデザイン的なものであって素材の変更はない。
 また肩にゴアテックスの様な素材を採用したことで目の粗い生地に比べて、紫外線の透過を防ぐ狙いもあるのではないかな?ゴアテックスの性能はよく分からないが、6カラーデザートが1980年代に始めて採用された時、肩の部分が二重になっている物があった、勿論強烈な太陽光を遮断し、太陽熱で被服内部が高温にならないように配慮されたものだったね。体内温度の上昇は結構、危険なことであって身体に過度のストレスを与え、疲労を増大させる結果を招く。日本でも温暖化で熱中症対策なんて言葉がこれからの季節に今年も出てくると思うけど、場合によっては身体の調整機能を失って死にいたる危険な状態なんだよね。
 

 コヨーテ・ブラウンの生地は丁度、薄手のジャージの生地の様な風合いだね。化繊で出来ているのだと思う。湾岸戦争以来支給されているネック・ガターを知っていれば、まぁ・・・そんな生地ですよ、多分ね。
 バラクラバ(強盗が使うイメージのあのマスクね。)の生地みたいな物ですね。もちろん毛糸の物ではないですよ。
このジャケットが雨天の使用をあまり考えていないと感じるのはこの素材を大きな面積で使用している所だったりする。淡防水程度の処理は施されていると想像できるが長時間の降雨に防水性能を発揮し続けるとは考えにくいね。
 どちらかと言えば動きを確保し、脇から放熱しながら、通気を確保するためにこの素材を採用して上手くバランスさせようとしたのではないかなと思う。このコヨーテ・ブラウンの生地、伸縮性があると散々書いているけど所謂、柔らかい民生品の伸縮生地とは異なる、アンダーアーマーのヒートテックT-シャツを少し厚くしたような感じといえば想像できるかな。
 立体裁断されゴアテックスの様な伸縮性のない硬い素材と組み合わされているが、ステッチから穴が広がってゆく様な事はすぐには起らないだろうね。動きやすさと引き換えに、この部分が若干ウイークポイントになる事を考慮して、もっとも負担のかかる脇腹の部分にソフトシェルの素材をあわせたとも考えられるね。


 袖の下までコヨーテの素材が使われている。ここでは伸縮性のある素材を使うメリットはないので、伸縮性能というよりは通気性などの放熱効果を狙って使用していると考えられないかね。

細かい仕様など書ききれないのでVol.3へ続く・・・。

TEXT BY TAC

 これまでイベントなどでのみ販売をしていたUSARV-TAGですが、ミリブロマーケットで通販業務を行うことになりました。
本日、配送準備が整い通販業務を開始いたします。

 もとより、輸入サンプル品などを扱っておりましたので一点物や数量限定の品を提供しようと考えております。よろしくお願いします。http://usarvtag.militarymarket.jp/  


2010年07月01日

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

Gen.ⅢECWCS Level 6 Parka Vol.2



前回からの続きでVol.2です。
 現在、アメリカ陸軍で戦闘任務の部隊中心に装備が進む、マルチレイヤーシステムですね。
興味のわいた人は前回のブログも見てください。


 このレベル6はデザイン的に見ても民生品のレインジャケットに近く、これまでのPCUやMCU等のデザインとの共通性もある。雨具としての性能を追求しているためなのか、外側に余計な突起を作るポケット類を配置せず、また体温調整用の開口部分や通気口も設けていない。一応フロントの大型の斜めに配置されたジッパーが通気の機能を併せ持つと考えられる。フロントジッパーは雨水の浸透を避けるために覆いが付いており、コイル・ジッパーの防水性能を補っている。このコイルジッパーは従来のかみ合わせがむき出しの物ではなく閉めるとナイロンのテープがジッパーを覆うようになっている、新型の物だ。名称がわからないのでここではコイルジッパーとしているが止水性能はかなり向上していると思われる。覆いとして機能するジッパーのナイロンテープが撥水処理されていればかなりの高い効果が期待できると考えられるね。動きもスムーズで非常に好印象だった。残念ながらうまく撮影できなかったので写真を載せることができませんでした。


 アウターの雨具ということで襟の部分はかなり高い、襟にはフードが内臓されているのでそれなりの雨量でも対応できそう。耐水圧も縫製部のシール処理とあいまってかなり期待出来そうに思える。耐水圧の高さは暴風下での活動では絶対条件なので高ければ高いほど良いが、軽量であることや収納性、価格とのバランスが難しい要素でもあるよね。
 雨具としての性能で気になるのがフロント・ジッパー部分からの雨水の浸透問題だと思う。着脱を考えれば前面が開放されるに越したことがない。しかしジッパーは雨水の浸透に対して弱点になりうるので、止水ジッパーを採用したり、ジッパー部分も短くして、プルオーバーデザインを取り入れたりしている。レベル6ではそのいずれでもないので、ジッパーに対して防水用のフラップをベロクロで固定するデザインを取り入れている。最近のベロクロの固定性能は格段に向上しているので風によって開いてしまうような心配もないだろう。レベル6のフロントジッパーは従来型の2ウェイジッパーが採用されている。


 袖の部分の調整はベロクロ付きのストラップで行うオーソドックスなもの。この手のレインスーツには一般的に良く見かける物だけれど、ゴアテックス・パーカーに慣れた私には若干頼りない印象に映りますね。小ぶりな作りで、防寒用手袋などを装着しての調整は不満のないレベルではあるが快適とはいえないと思う。調整の幅は広く実用的であると思う。


調整の裏側はゴムが入り伸縮するようになっている。これも一般的な手法ですが、ストラップで締め上げればかなり袖口からの浸透を抑える効果が期待できる。腕の外側の袖口から肘にかけては、写真では分かり辛いが、コーデュラナイロンで補強されている


 フロントジッパーはプラスチックジッパーの2ウェイタイプ。2ウェイタイプは使い続けると噛み合わせがうまくいかなくなったり、強度に不満が出やすいが、使用に際してはあると便利。手袋を着けての使用を考えてジッパータブに長めのナイロンコードを取り付けている。現在はこのコードはフォリッジ・グリーンが採用されているが、初期に見かけた時には黒色のコードであったと記憶している。


 上の写真だけではわかり難いと言う事でジッパー部分の拡大写真です。


 ジャケットの裾を締めるためのコード、PCUではこの方式を採用していたが、MCUでは服の裏側に移設されていた。
風雨を避けるためジャケットの裾を締め込んで下から雨水などが入り込まないようにしたり、風の進入を抑え、体温を奪われないようにするための物なのだが、ジャケットの下から絞めこんだ分だけコードが出るので周辺の突起物に引っ掛けやすいという問題がある。特に森林などではなおさらだ。そこでMCUでは内側に調整を入れたと思われるが、今度は調整のためにジッパーを開放しなくてはならないことが不具合とされたのだろうかね?5.11のジャケットなどではポケット内に調整を持たせるデザインでこれを解決しようとしているが、今度は鍵などを入れておくとそれに引っかかるんだよね。最良の解決策はないというところかね。


 軍物ということで気になるのがタグなんですけど、まぁ・・通常の通り官給タグがつきますね。個人的な感想ですがGen.Ⅲの黒いタグがどうも頂けない。オフィシャルの軍用官給品ですと書かれているのが一寸ね。80年代によくあったARMY WEARとか、書かれてあった偽物の服を思い出しますね。

TEXT BY TAC




 この度、イベントのみで販売をしてきた当USARV-TAGですが、ミリブロマーケットにて通販業務を開始することになりました。本格的な業務開始は2010年7月7日の予定です。ただいま先行的に商品を掲載し始めておりますが、開店準備のため配送準備が完了しておりません。ご注文は可能ですが場合によっては7月7日まで配送が出来ない場合がありますのでご了承ください。7月5日以前の配送可能商品に付きましてはメールにてお問い合わせください。また、ご利用に際しましては利用規約をお読みいただいた上でご注文ください。

 現在は実験的に掲載している状態ですので7月中旬までに衣類、装備品を徐々に掲載を増やしてゆくつもりです。

 数量限定品や一点ものを数多く取り扱いますのでよろしくお願いします。7月2日から4日までは定休日となります。http://usarvtag.militarymarket.jp/  


2010年06月30日

USMC CD Jacket 180S

USMC Combat Desrt Jacket 180S

アメリカ海兵隊 CDJ (砂漠戦用ジャケット)は名称の示す通り、砂漠地域の特殊な自然環境に対応するために開発された戦闘用ジャケットだね。開発趣旨から今現在、イラク/アフガニスタンへ派遣される陸上戦闘部隊にのみ供給されていて、当然、色はデザート・マーパットのみが製作されている。
 ジャケットの成り立ちもかなり特殊な部類にはいると思う。各部分で違う素材を複合的に組み合わせており、異なる性質の生地を効果的に使用する試みにあふれている印象だね。生地は主にゴアテックスを表面に使って蒸れを防止しながら、ソフトシェル素材で保湿効果を持たせてある。
またシルバー・ファイバー X-Static処理をして、除菌性能をも併せ持っているのも新しい試みかな。



 砂漠地の過酷さは乾燥した大気だけでなく、昼夜の気温差に代表されるように一日にめまぐるしく変わる環境の変化で知られる所だ、それゆえCDJは昼間に通気性の高い素材で身体ストレスを和らげ、夜間に身体中心熱を失わないように製作されている。そのため各部分で異なる特性の生地を使用し、立体裁断を施すなど身体の動きを阻害しないように配慮されている、また軽量で持ち運びの容易さも考慮されている。
 アウトジャケット素材としてのゴアテックスはもはや山用品だけでなく作業用雨具、民間用レインコートなどでも一般的なんだけれど、軍用のゴアテックスは対赤外線処理がなされていることもよく知られるところだね。CDJでは最新の赤外線処理が施されあらゆるナイトビジョンから発見される危険性を低下させている。
この様に複合的な高いレベルの要求にこたえるため製作されたのがCDJですね。

 海兵隊は新型の全天候被服システムの開発で陸軍とは異なる姿勢を見せているようだ。陸軍が開発したGen.Ⅲのようなレイヤーシステムの導入をあきらめてしまったと見る向きがある、従来のパーカーをアウターハードシェルとして帰結するAPECSを採用を中心に装備を進めてゆくつもりだというのだ。
 極地での使用条件でAPECSに不具合が生じた場合に特別な仕様のCDJみたいな被服で補ってゆくつもりなのかね、それとも一過性の実験品として開発したものなのだろうか。CDJの開発に当たり、すべての海兵隊の正規官給品としては適さないと極地(砂漠)での使用を条件としていることが伺える文言があるし、限定的な官給品であることも確認されている。勿論、海兵隊が発注した数量も限定的らしいね。

結構、このCDJは面白い作りをしているので細かく紹介してみたいと思っています。そんな訳でVol 2に続きます。

Text By TAC

 
 この度、イベントのみで販売をしてきた当USARV-TAGですが、ミリブロマーケットにて通販業務を開始することになりました。本格的な業務開始は2010年7月7日の予定です。ただいま先行的に商品を掲載し始めておりますが、開店準備のため配送準備が完了しておりません。ご注文は可能ですが場合によっては7月7日まで配送が出来ない場合がありますのでご了承ください。7月5日以前の配送可能商品に付きましてはメールにてお問い合わせください。また、ご利用に際しましては利用規約をお読みいただいた上でご注文ください。

 今回のCDJを始め、数量限定品や一点ものを数多く取り扱いますのでよろしくお願いします。7月2日から4日までは定休日となります。http://usarvtag.militarymarket.jp/
  


2010年06月28日

Gen.3  パーカー Lv.6

Gen.Ⅲ ECWCS Level 6 Parka



 五月晴れってのが、印象に薄いまま梅雨になっちまった。農作物にとって特に稲作には必要な時期であることはなんとなく分かっているんだけど、あんまり得意な季節ではないね。傘を常に持って歩くのは面倒だし、それが濡れた傘だとさらに気が重い。服が濡れると重いし、冷たいし、肌に張り付いて気持ち悪い。ずぶ濡れになると気は滅入るは惨めな気分になるはで、とても雨に歌う気にはならないな。
 都市で生活する私なんかは結構忘れがちなんですけどね。雨に濡れるということが不快だということ位にか感じなくなっていたりするね。実際、水を蒸発させるのには多量の熱量を必要とすることを見落としがちだったりする。
つまり、ずぶ濡れになった衣類が容赦なく着用者の体温を奪い続けるという事実がある訳だ。雨具を持たない軽装のハイカーが夏山に出かけて凍死体で発見されるなんて事もある。
 結構、雨具や体温を調整する衣類は人が長いことかけて培ってきた技術のうちの一つともいえると思うな。

Gen.Ⅲ ECWCS レベル6 パーカー アメリカ陸軍が採用した第三世代型 寒冷地衣料システムがレベル1から7までで一揃いになっている事は知っている人も多いでしょうね。Gen.Ⅲは旧式化した防寒システム(M65フィールドジャケットとかね。)やこれまでのGen.ⅠやGen.Ⅱに替わる最新の寒冷地衣料システムとして2003年にNaticにて開発が進められた。
2004年には陸軍はこの新型ECWCSのテストに入り、アフガニスタンに展開する第十山岳歩兵師団や第八十二空挺師団を通してデーターを集めた。2006年秋から2007年冬にかけて第十山岳歩兵師団を中心に実験装備された。2008年7月には正規の官給品として採用されることになった。

 このレベル6はアウターのパーカーであり、寒冷地から多湿地で使用するように開発されています。寒冷地に対応するといっても、このパーカー自体には保温性能を持たせているものではなくて、レベル1から3までのインナーを合わせることによってあらゆる環境に対応させようとするものだね。つまり寒いところでは保温性の高いインナーを選んで重ね着することになるし、暑い地域では放熱性の高いインナーを選んでゆくということだね。
 この様にレベル6は風雨から身を守って、体温の低下を防ぐ機能を担っているようだね。雨具のカテゴリーに属するアウタージャケットと言えると思う。最近の言い方ではハードシェルと言えば分かりやすいな。
Gen.Ⅰから研究を重ねているだけあって相対的に完成度は高いと思う。特に止水に関してはよく考えられていて、かなり快適に雨天を過ごせそうに思える。


 レベル6の裏地の部分。ステッチ部分にシールがなされていて縫製部分から雨水の浸透を防いでいる。コイルジッパーが採用されているので防水ジッパーよりは雨天に対して有効ではないと思うけれど、現在のコイルジッパーの性能はかなり高いので使い勝手が今一で壊れやすい防水ジッパーを採用しなかったことは理解できるところだね。

従来のゴアテックスパーカーに比べて新素材の採用により、軽量でかさばらない点は特筆できるところだと思う。着用しない時にバックパックに収納する際もそれ程、容量をとらないと言うことは装備をコンパクトにまとめておきたいすべての人の要求にこたえるものだね。


表面生地は撥水性に優れ、裏面に防水コーティングが施されている為、かなりの風雨でも心配要らないように感じる。反面、通気性という点では劣る様で従来のゴアテックス等に代表される快適性は若干損なわれていうように思う。
表面に付くスライド・コイルジッパーは内側に着たジャケットのポケットにアクセスするためについているものなので、レベル6単体でのポケットとは機能していない。あくまで重ね着をした場合の一番外側に来るジャケットとして設定されていて、一連のシステムとして機能するようにデザインされているものだ。
サイズ的にも表示サイズに比べて大きめにゆとりをとって製作されているのも内側にフリースやレベル4 ウインド・プルーフジャケット、レベル5 ソフトシェルジャケットを着ても動き辛くなることのないよう配慮されているからでしょう。

Vol.2へ続く・・・。

TEXT By TAC

  


2008年03月18日

パタゴニア ハードシェルジャケット Vol.2

PATAGONIA - M'S Dimention Jacket Special       ~Vol.2~


 今回は昨日の続き、パタゴニア エムズ・ディメンション ジャケット スペシャルVOL.2です。
このジャケット、Vol.1でも述べましたがソフトシェルのカテゴリーに分類されているんですけれど、まぁ・・あくまでメーカー側でね。軍用視点では一寸、ソフトシェルの求められる性能とは異なった部分があるとして、私自身はハードシェルと呼んでいるわけです。実際、生地は固めですからね。現在、色々な民間用アウトドア会社からソフトシェルのカテゴリーで製品が出ていますが、私の言う軍用のソフトシェルの要件を満たしている物が全てではないのです。つまり、軍用のソフトシェルと民間で言うソフトシェルでは相違があるということです。勿論、今後、軍用ソフトシェルの規定に変化が出てきて、場合によっては既に・・民間の観点に近づいてゆくことは考えられます。私の知りうる限り、現状では2種類の素材が軍用ソフトシェルとして軍から認定されているようなので・・・・。


メインポケットがロアに2つ、バーティカル・ポケットが1つ、ジッパーは全てコイルジッパーを採用している。
実際の暴風時に使用したことがないので何とも言えないのだが、ジッパーが露出している作りなので、浸透圧の耐性には不安がある。どちらかと言うと防風性能を重視しているのかもしれない。


フードの形状は一般的なもの。後ろに調整用のゴム紐が出ている。


フードの内側。ナイロンメッシュがジャケット本体から裏張りされている。通気性の向上の観点から採用されている。非常に快適。やはり、通常のソフトシェルの生地と比べかなり、ゴアテックス素材に近い厚みを持っているので、保温性は高い印象だが、通気性能的には若干劣る。
内側にベロクロ調整機能を持っており、外側の調整費もと合わせて、細かい調整が可能になっている。
ステッチの部分にシール処理を行ったり、肌に直接当たる部分に柔らかな素材を当てるなど、高級登山メーカーの仕事をしている凝った作りとなる。


カフの部分は伸縮素材を使い、ベロクロ調整のテープが付く。タブはゴム製で滑りにくく、手袋を着用していても調整しやすい。ある程度までの雨なら通気性を上げる為、ベロクロの調整部を緩めておいても伸縮素材で雨水の浸透を抑えることが出来る。


右の内側にポケットがある。ジッパー式のポケットと地図などを入れておく伸縮素材を入れるポケット。このポケットはメインポケットの裏側にある。黒いメッシュがメインポケットの収納部分になる。ソフトシェルで見られるようなメインポケットを開放することで通気性を確保する作りとなっている。
脇に伸びるベージュの部分は伸縮素材の補強。動きを妨げない様にゴムが内側に入る。風でジャケットがバタつかず疲労を軽減する。これもPCUなどにも見られる手法だ。




ジャケット本体の調整はゴム紐で行われる。ゴム紐はMCU同様にジャケットの内側を通しておりフードの開口部の調整と連結している。上の写真が襟からフードの部分の内側になる。首などがすれる事のないように柔らかな黒い素材を当てている。
調整具は下の写真の裾の部分から襟の部分、首の後ろ外側となっていて、細かな調整を可能にしている。



今回のジャケットもおそらくタクティ駆るように開発された物の1つ。胸の部分に一般に販売されるモデルと違ってメーカー名が故意に刺繍されていない。この私の私見はパタゴニア ソフトシェルで述べているので興味のある人は見てください。

Text By TAC



  


2008年03月17日

パタゴニア ハードシェルジャケット

`PATAGONIA - M's Dimention Jacket Special

 やぁ~すっかり春めいてきましたね。日中は穏やかで過ごしやすいと言うのでしょうかね。結構、シャツ一枚でも過ごせそうな感じですね。学生さんはもう、試験休みとか春休みに入って学校に行っていない人も多いんじゃないですかね。
前にも話しましたけど、学生街なんですよ家の周りは・・学生時代を終えて随分経ちますがね、学生さんたちの動きがなんとなくですけれど分かるんですね。
 休みに入っていいな~とかね。まぁ~自分も通ってきた道なんで、もっとしっかり時間を使えよ・・・?なんておこがましい事も言えた義理じゃないですが。普通にうらやましいと・・こう思うわけですよ。
 今まで冬で結構、出不精になっていますからね。どっか遠くへ行きたいな、そんな風にこの季節には感じてしまいますね。

今回は以前パタゴニアのソフトシェルを紹介していたので、その一連のアイテム、ハードシェルです。実際パタゴニアのこのジャケットを評するとき、この名称かどうかは分かりません。私が勝手に言っているだけですけど・・・。
 製品名ではエムズ.ディメンション・スペシャルですね。結構、前からのモデルです。
こちらもタクティカル用と目される製品で、パタゴニアの文字が胸に入っていません。一般の製品には入っていますよ。
 色はレンジャーグリーンですね。MARSシリーズの一部ですね。



以前、パタゴニア ソフトシェルの紹介で軍との関係やPCU開発について記述をましたね。あれから3ヶ月近くたって、色々新しい事が分かってきましてね。
 現物が手に入ることがあれば別の機会に詳しく書くことにしますが、SOFに実験研究用として正式にPatagoniaのソフトシェルが納品されていましたね。時期は02年前後らしいというところまで分かりました。襟の内側にパタゴニアの会社タグ、その下に緑の軍用タグの二重タグになっています。NSNナンバーを取得していますね。色はやはりアルファグリーン(レンジャーグリーン)ですね。形の判別がつきにくかったのではっきり分かりませんでしたが、Slingshot Specialに形が近く、丁度PCUをあわせた様な裁断になっているのではないかと思いましたね。
 トラウザーはかなりPCUと近いデザインのようです。
 以前、私の展開していた想像が確実になったのは非常にうれしく思います。
 ソフトシェルで軍用タグが入ってる物は非常に珍しいですね。PCU Level5でも私自身は軍用タグの入った物を完全に確認できたことはありません。まぁ~余談ですけれど・・・。


内側はグレーのナイロンメッシュで覆われています。ウエットウエザー(降雨時期)に対応した作りでしょうかね。
フードに格納スペースがなく常にフードを外側に出しておくことになる。
ポケットはメインのポケットがジャケットロアー部に2、胸に縦型の開口部を持つポケットが1、全てジッパー開閉式。
中央のジッパーの内側には水の浸透を防ぐフラップが付いている。
首などの直接肌が当たる部分には柔らかい素材を選ぶなど、さすが登山メーカーですね。

上で ハードシェルと言うか云々といいましたが、実はこのジャケット、本来的なメーカー分類ではソフトシェルに当たるんですね。あくまでもパタゴニアの会社の製品分類でね。ただしPCUやMCUで使われる。本当の意味で柔らかい生地は使用していません。かなり硬い印象で生地自体に強度があります。
本来、このジャケットはそれまでのソフトシェルに対し、擦れによるダメージを受けにくくするコンセプトで設計されている。
その分、コンパクトに出来、軽量で携行し易いという部分が置き去りにされた格好だ。
 どちらが良いのかという疑問が浮かんでくるが、要は要求に対する製品の開発の仕方なので、どちらのソフトシェルが優れているかと言うことではなく、どちらのソフトシェルがその気候により適しているのかと言う問題なんでしょうね。

一寸、書きすぎてしまいました。このジャケットの各部分の紹介は後日、Vol.2に続いて書くことにします。

Text By TAC  


2008年02月27日

5.11ソフトシェル ジャケットVol.2

5.11Tactical Soft Shell Jacket Vol.2
     ~各部機能~


 昨日アップした、5.11ソフトシェル ジャケット今回は各部機能を紹介すると申していたのですが、昨日の記事の中で本来書いておかなくてはならなっかった、デザイン部分ロアポケット形状を書き忘れていることに気づいたのでそこから始めましょう。



 ロアポケット拡大写真、フリースに準じた基本デザインと書いてきましたがこのポケット部は少々違います。ジッパー部分が表面に露出しないデザイン。アウター系のフラップつきロアポケットに良く似ていますが、これもアウターが降雨時の使用に耐えるよう、フラップ自体の大きい物としているに対して小ぶりのフラップを採用している。



 5.11フリースジャケットと同様にソフトシェル・ジャケットにも3in1パーカー,5in1ジャケット,アグレッサーパーカーなどアウターインナーとしての機能を持たせてある。基本的に装着した感想は一連の5.11フリースよりも保温性が高いと思う、反面、通気性に劣り、蒸れを感じる場面が多い。これは単純に素材の差であろう。ソフトシェルをインナーとする場合、極寒地で使用を前提にすることをお勧めする。ソフトシェルの素材はフリースに比べ伸縮性に劣り、若干生地に厚みがあるようなので、特に腕の曲げ伸ばしに不満を感じる。
 カフは伸縮用ゴムを内包したタイプにベロクロ調整機能を併せ持つ、非常に凝った作りだ。インナーとして使うための、袖口ににループがある。
 ネック部に同様の固定ループが付いている。


 ジッパーの裏側に防風性を高めるフラップがつく、5.11のアウターに必ず付いている機能。ここでもアウターとインナーの両立デザインとして機能させようとする5.11の取り組みを感じる。袖の付け根にあるループは無線機マイクを固定するループ。胸に大型のベロクロ止めポケットが左右につく。


おなじみのサイドオープン機能。ベルトに付いた装備へアクセスする為の機能だが、通気を行い着用時の快適性を向上させる狙いもある。特に蒸れやすいこのソフトシェルではその利便性を上げる為、上下から開くことが出来るように2ウェイジッパーが採用されている。


これまたおなじみ5.11ロゴがアウターに見られる様にカフ部に刺繍される。伸縮カフにベロクロの調整機能が付き防風性能を向上した。

 5.11ソフトシェルはご覧頂いたように、アウターとインナーの中間に位置する様なコンセプトで作られているように思う。
良い言い方をすればその両立を狙ったデザイン。悪く言えば中途半端。素材の特性上、防水性能は期待できないが少々の雨で保温性能を著しく損なうことはない。5.11が狙ったのはむしろ雨天時の使用ではなく防風性、寒冷地での性能の向上であろう。
 それ故、既存のアウター類との併用で雨天時の使用を可能にしてしまおうと考えたのではなかろうか。その素材から来る保温性能の高さ、防風性の高さの機能と引き換えに通気性のの悪さが目立つ。ヒーティングされる屋内では蒸れは避けられない印象だ。
この欠点ゆえ、生産の終了を向かえ、フリースの持つ汎用性の向上へ舵を切ったように感じた。しかしながら単体のそれとしては非常に使いやすく、暖かい。インナーの機能を考えず使用させることでこのジャケットの延命は望めなかったのだろうか?
ジャケットとしての機能が気に入っているだけに個人的には非常に惜しい。
 そういえば5.11の新商品にセーバージャケットと言うハードシェルが出てきているね。防風性と防水性に特化したモデルでソフトシェルとのコンセプトで似た部分もあるように感じる。ただし非常にストイックなデザインだけに通常使用となるとソフトシェルの中途半端さがかえって汎用性が高いようにも映るのだよね。

Text By TAC

  
タグ :5.11


2008年02月26日

5.11 ソフトシェル・ジャケット

5.11 Tactical Soft Shell Jacket

 私にはね、昔から変な嗅覚みたいな物があって、いや、嗅覚と言ってもお香の匂いやワインの香りをかぎ分けられると言う物ではないんだけど、いわゆる選別眼とでも言うのかな。選ぶ物、気に入る物が結構な確率で不人気になる。もしくは、飽きた頃にヒットし始めるなんて事があります。ミリタリーの関係を好む人は結構そういう物かもしれないとも思う。少しその他大勢の人より変った物を好む傾向があるのかもしれない。なんだかそういう人種が多いように思う。高度成長期の真っ只中に生まれて、物が沢山あふれている事が当たり前になっている頃に物心ついて、今のようにファッションや流行する物に多様性がなかったし、あふれ出る工業製品や音楽に関しても細かく紹介するような情報誌もなかった。音楽も日本レコード大賞を受賞する様なものは皆、聞いていたし、衣類も白が流行れば皆が白い服を着て歩いていた。今もそんなに変らないかもしれないけれど、それでも今より社会の流行に関する多様性は制限があったと思う。小説とか音楽なんて今は100万出ればヒットでしょ、昔は300万売れたなんて事も結構ざらにあった。皆が一つの物に熱狂する土台があったと感じるね。そんな中で違和感のままに自分の好きな物を選んでいくうち、非常に優れたところがあるのに不人気の為生産が終わってしまったり、デザイン的に先進だなと思っているうちに凡庸なデザインにモデルチェンジしていたり、そんなこと結構ないですか。だからなくなってゆく物とか消えてゆく物とか簡単に機能や利便性が低いため、競争に敗れて廃れてゆくのだと思えないんですよ。遥かに質の劣る物をただ価格を下げて販売しているだけで成り立っている物だって結構ある。自分ではここがすばらしいなと思う所があるのに不人気と言うことで消えてしまう、そんな物ありませんか。タクティカルや軍用品にも結構あるんですよ私の場合。

 その様な、時代の流れの中で消えて行ってしまう。そんな愛しきアイテム。何ゆえ私が旧バージョンのアイテムや世間的に注目されている物と違う物ばかりをブログで紹介し続けているのか、少しお分かりいただけたと思います。そこで今回は昨年生産が終わり、後継のモデルも存在しない5.11ソフトシェルジャケットのご紹介です。



 後継モデルが存在しないと書きましたがデザイン的には2007年に発売になった。5.11のタクティカルフリースに継承されているのではないかと思いますね。まだ手にとっていないいのですが、写真上のカッティングは非常に似ていると思います。ただ商品名の通り、フリースなんですよ。


インナーにフリースがライニングされています。表面の素材これなんていうのでしょうね。いわゆるドライスーツのような素材です。風もあまり通さず、暖かいです、フリースよりもね。暑すぎるような場面もありますね。
 カッティングとしては胸のベロクロ留め大型ポケットが5.11のデザインらしいと思わせます。その他の部分では無線マイクループやジッパー開閉式の斜めに切られているポケットなどフリースの基本設計とあまり変らない印象です。


背中部分右下にジッパーポケットがあります。これまで紹介してきた、インナーフリースと3in1とかアグレッサーパーカーの中間的要素が混在した感じのデザインです。インナーフリースやパトロールフリースよりアウターに振ったデザインと言うところでしょうか。実際、物を入れた過ぎたときの見てくれはともかく収納の容積拡大は素直に喜ばしい。また着心地も軽く暖かいのでこの点は評価できるところですね。素材の違いで風に強いのもフリースに比べ私にとっては高評価です。



内ポケット部分です。左右の作り、フリースと言うよりアグレッサーパーカー等のアウターパーカーもしくはジャケットと同様の作りです。この点も中間デザインなのです。人気がなかったといわれる所以はこういう所が中途半端に見えたのかチャンポンデザインが手抜き仕事に見えたのか分かりませんが、私自体は『こんな物がほしかったんだよ。』と思わされました。つまり気に入ったと言うことです。


5.11のロゴ(何度も写真にしていましたね。)背中の部分がフリースになっている。生地の違いで分かると思います。


各部の機能についてはまた、後ほど載せます。

Text by TAC  
タグ :5.11