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Posted by ミリタリーブログ at

2009年05月16日

DBT 3D Assault Pack Vol.2

DIAMONDBACK TACTICAL
3 DAYS ASSAULT PACK With Hydration Sleeves Vol.2


 荷物を持って移動する。そんな用途で使われてきたのがバックパックだ。荷物を保持しながら両手が自由になり、負担も少なくて済む、そんな優れものだ。長い間人々に支持されてきたので用途の細分化や利便性の向上など常に進化を続けているアイテムでもある。価格も様々でとても豊富な選択肢が存在しているしね。
 軍事的な側面でも個人装備として古くから使用されてきた。行軍に際し、バックパックが無いなんてよほど補給に自身がある軍体系を持っていなければ考えられない所だね。
 そんな訳でDBTのアサルトバック第二弾です。


 3D Pack背面。ショルダーストラップにはプラスチック製Dリングと四角のリングが付いている。また1インチテープが縫い付けられており、テープは各所でMolleの様に何かを差し込める様になっている、カラビナなどを通しておくくらいしか思いつかないが、あって困るものでもないね。
 ショルダストラップはファステックで連結されていて素早い着脱が出来る。また調整幅も標準的なので体格にあわせ調節するのに困ることは無いだろう。
 バックパックの背面って、あんまり注目しない所だろうかね?絶対的多くの人はパックのデザインを優先するだろうし、容量で判断することも多いだろう、私もそうなので背面に注目しないこと自体はそんなに不思議なことでもない。背面は直接背中に当たる部分なので使用して初めて気に成りだす部分でもあるわけですよ。
 そんな訳で意外に各メーカーで特色が出てくるのは、この背面であったりする。ブラックホーク社のパックではIVSと呼ばれるプラスチックフレームに低反発素材を組み合わせた、密着性と通気性という相反する性能を上手くバランスさせた製品を開発したり、クッション部分をメッシュにしてみたりと各社色々な取り組みをしているね。民生品では更に進んで金属フレームにメッシュの素材を組み合わせパックと背中の間を空間をもたせて通気性を高めたものがあったりする。
 DBTではこの通気性能を無視して、本来の背負うと言う性能を追求しているように思う。パックと背中の密着性を高めパックが移動時に左右に振ることを極力抑えるためにラバーの滑り止めを左右に採用している。勿論ラバー素材と言うことで勿論通気性は全く期待できない。唯一背骨が当たる中央部分にはクッション素材とナイロンで構成されているので、かろうじて通気性能を確保している程度だ。
 これはどの様な背面処理が優れているかと言うことではなくて求められる機能や好みの問題かな。通気性の高い素材はやはり強度の面で劣るし、いかんせん滑り止めの効果にも劣る。滑り止め加工がなされ強度の高い素材は通気性能に劣ると言うことかな。


 パック背面の滑り止め加工部分。黒い素材が二分割されている、滑り止め加工の素材を使用しているのは下の部分。上記では一応、ラバー素材と書いたけど雨具などの補強部分なんかで見られるシャークスキンと言われる加工だね。不勉強で本当にゴム材を基本に加工してあるものなのかは分からないのだけど、通気性が期待できないことは確かだね。
 二分割された上部は薄手のナイロンを使用している。ある程度の通気を考え、体から発汗される湿気を逃がす為にこの素材を採用していると思う。また背負う時にあまり硬質で滑り止めが利き過ぎていると重量が増せば増すほど、上着などを引っ張ってしまうことにもなるので背負い込むことを考えると一番最初に体に当り、ずらしながら定位置までもってゆかなくてはならない部分は逆に滑りやすい方が都合が良いと言うことになる。
 かなり詰め込んでショルダーストラップを調整して、背負った感じでは下部の滑り止めの効果で移動時の振り出しが抑えられ、それ程ウエストベルトの追加を必須と言うほどは感じなかった。内容は7kg以下で歩行のみだったので走り回ったり、更に重量を増す場合にはウエストベルトの装着が望まれる場合もあると思う。
 
 

 ショルダーストラップの裏側、低反発素材にやや目の細かいナイロンメッシュ素材を組み合わせている。製作手法は一般的なものだが、低反発素材の質はとても良く、表面の補強ストラップから貫通する縫製部分を視点に曲がるのでフィット感に優れている。ナイロンメッシュの強度は一昔前と比べ格段に向上している。ナイロンメッシュは使用に伴って毛羽立ちが出たりして、素材の弱さに不安を持ったりしていたが、昨今ではその様な現象は皆無か殆ど無いといってもいい。
 格安のバックパックにいまだに使用される強度に劣るナイロンメッシュから破損を心配する向きもあろうが、このDBTに使われるものに関してはその様な心配は無用だと思う。


 ショルダーストラップに付いたファステック。ショルダーストラップ左右に同じデザインとなっている。バックを着脱する目的で付いており、結構民生品にも見られるデザインだったりする。ファステックは強度があり、硬質プラスチックを採用している。硬質ゆえに作動に力が要るが重要な部分なので強度があるに越したことは無いと思う。荷重のかかる部分でもあるのでファステックを固定する周辺を見ても縫製がしっかりとられているのが分かる。この部分の破損はバックパックにとって致命的な結果になるので安心感があるのは嬉しい。


 ショルダーストラップはご覧の通り、かなり補強を意識して製作されている。何処までの加重を想定しているのかは知らないが、普通に使う程度ではびくともしないだろうね。意外にバックパックってショルダーストラップ自体や接合部分に縫製の甘いものがあるものです。勿論、ちゃんとしたメーカーではそれ程の心配も無いのだけれど、シティーユースを前提としたつくりのものなどはショルダーの縁がほころびたり、縫い取りから生地にダメージが出たりする事がありますね。


 ショルダーストラップと本体の接合部分。かなり、強度を意識して縫製されているようだ。DBTが強度の高いバックパックを作ろうとしている姿勢が現れている部分だね。



 今や大き目のバックパックには必ずというほど付いている、左右のショルダーストラップを連結するストラップ。連結するとバックパックが安定して負担を軽減してくれる。たいした事のないパーツに見えるが重量が大きいほど効果が実感できるので私は意外と活用していますね。

 
 形あるものはいつか壊れると言うものの、使用している最中に壊れて欲しくない。だが、保管しておくだけで壊れてしまうのもかなりショックだ。
 まぁね、時間が自由になっていた頃には野山に出かけてゆく事も頻繁だったので、色々経験しました。中古のX-フレームパックのクイックリリース部が金具ごと取れちゃったりね。プラスチックパーツが折れちゃったり、アリスパックのアルミの金具が飛んじゃったりしてね。そんな負の遺産からかな、強度には特別の思いがありますね。
 私は未だ布と布を接合するのに縫製を重要視してしまいますが、もしかすると接着剤などで物凄い強度の出るものなんかもあるかもしれないですよね。英国のロータスで製作される車にはアルミフレームを接着剤で組上げ固定しているものもあるとか、でも私は古い人間ですからボルト止めや溶接で製作して欲しいと思うわけですよ。
 判断材料は縫製だけに限らない場合もあるのではないかということです。バックパックは一つ一つが高価なのでたくさん集めて全てから判断することは個人では無理ですから、知識も追いついてゆかないですしね。
 私が気に入っているのはこんな所です、と言う意味での製品紹介ですから、あくまでも私見として参考にしてください。

TEXT BY TAC

 

  


2009年05月09日

DBT 3D Assault pack

DIAMONDBACK TACTICAL
3 Day Assault Pack with Hydration Sleeves



 3 Day Assault Pack 三日間程度の作戦向けに開発されたバック・パックと言う所だろうか。どの基準で三日程度の作戦に耐える個人携行品の量を想定しているのかは不明なんだけど。まぁ・・色々なメーカーで同様の名前をつけたバック・パックが商品化されている。形も大きさもほぼ同じで三日間の想定にはそれなりの根拠がありそうだね。
 民間の山歩き用では、ほぼ日帰りハイキング用のデイ・パックの大きさより一回りほど大きい感じだけど、軍隊ではその三倍の日数で必要とされる携行品を詰め込むわけだ。
 タクティカル用品とは言え、基本的には市販のバックパックと大差ないので、最も日常生活へ流用がきく軍用品の一つだね。
今回のパックはダイヤモンドバック・タクティカル社(以下、DBT)のアサルト・パック ハイドレーション スリーブ付きですね。このパックはDBTのアサルトパックシリーズで最もベーシックなモデルとなります。
 DBTがリリースする他のバックパックに比べ開口部が大きく取られているなど、ベーシックとは言うものの一番使いやすいのではなかろうかね。特に私のように何でもただ突っ込んでしまう人にはお勧めだね。


 最近のタクティカル用品と言うこともあり、ナイロンはコーデュラを使用しているようだね。非常に硬質で厚みがある。この点では軽量を重視した民生品と大きく異なる所と言えそうだ。タフな作りと引き換えに重量が増すことになるが、壊れにくいと言う安心感もバッグに求められる性能だと思う。荷物を詰めすぎてナイロンが縫製部分から裂けたなんて経験を多数持つ、私には特にそう思うところだな。つい最近イーグル社のローリングバックのコピー品をたった一回の使用で葬り去ったばかりだ。


 全体的なデザインは、一般的なディパックと違いが見られない。日本でも70年代後半に大流行してそのまま定着しているデイパックだが、それだけ完成度の高いデザインと言えると思う。木々の生い茂る山岳地を歩いても、張り出しの少ないデザインで枝などの干渉が少なく、スムーズに移動できる点は負担を軽減してくれていたし、従来の袋状のリュックサックに比べ立体裁断のパックは携行品を詰めやすく、取り出しやすかった。
 
 さてDBTの3D Packだけど、このパックは大きく分けて2つの収納部分からなっている。メインパックとその上にある大型ポケットだ。写真は大型ポケット部分。Molleとベロクロのパッチパネルの間に平行にジッパーが付いているが、ここは大型ポケットに付属する地図などの書類や小物などを収納するスペースとなっているもので、大型ポケットの収納は上面についているジッパーを開放して行う。
 大型ポケットの厚みは5cm程あり、結構な収納容量がある。背負った時に体から一番はなれる場所でもあり、ストラップなどで補助もされていないので、重量物を収納するのには向かないが雨具など急に必要になるものを入れておくのに充分なスペースであることは嬉しい所だね。


 サイドからの写真。メインの収納部と大型ポケットの関係が分かる。メインパックは厚みが均一で収納性よりも行動時の負担を軽減する様に体から収納物が遠くならない様にデザインされているように思う。重量バランスを考慮する為か大型ポケットの配置を見ても上面に向かって収納のための容量が大きくなっている。
 上部に重量のあるものを配分する事がパッキング法として知られる所だけれど、上面に重量を配分すれば移動時に軽量の下部とのバランスで背負った荷物が左右に振られ疲労を増大させる場合もある。そのためショルダーストラップを絞り、必要によってウエストストラップを装着するのだが、最近の小型から中型のタクティカルバックパックはウエストストラップを非装備もしくは着脱式となっているものが多い。バッグ本体やショルダーストラップのデザインが洗練されてきた事が要因のひとつ、重量が大きくならない(特に小型バックパック)場合にはウエストベルトが無用の長物になりかえって邪魔になる場面があること、そして何よりも戦闘時に素早い着脱を妨げるなどの問題を内包しているからだと思う。
 DBTでもアクセサリーベルトの名称で別に用意されるベルトがこの3D Packのウエストベルトとして機能するので必要な場合にはどうぞ!!と言う姿勢だ。
 写真で見える2本のファステックの付いたストラップは調整式でメインパックを絞って、内包物を体に近づけ安定させるために使い、一番上のストラップは簡易的に荷物を固定するのに使う。


 下部にあるジッパーはポケットではなくメインの収納に直接つながっている。ここから奥にしまったものを取り出す事が出来る。
  
 パック表面と側面下部にMolleテープが付いており、容量を拡大したい時や使用頻度の高いものを取り付けるようになっている。またジッパーは信頼性の高いコイルジッパーを全体的に使用してあり、砂などのかみこみを防ぐ意味でジッパー部に多いがかかるように配慮されている。結果的にむき出しになったジッパーより動きが渋くなりがちなのだが、反面タフな作りこみは安心感があることも確かだと思うな。

つづく・・・多分。

TEXT BY TAC