2010年07月01日

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

Gen.ⅢECWCS Level 6 Parka Vol.2

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2


前回からの続きでVol.2です。
 現在、アメリカ陸軍で戦闘任務の部隊中心に装備が進む、マルチレイヤーシステムですね。
興味のわいた人は前回のブログも見てください。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 このレベル6はデザイン的に見ても民生品のレインジャケットに近く、これまでのPCUやMCU等のデザインとの共通性もある。雨具としての性能を追求しているためなのか、外側に余計な突起を作るポケット類を配置せず、また体温調整用の開口部分や通気口も設けていない。一応フロントの大型の斜めに配置されたジッパーが通気の機能を併せ持つと考えられる。フロントジッパーは雨水の浸透を避けるために覆いが付いており、コイル・ジッパーの防水性能を補っている。このコイルジッパーは従来のかみ合わせがむき出しの物ではなく閉めるとナイロンのテープがジッパーを覆うようになっている、新型の物だ。名称がわからないのでここではコイルジッパーとしているが止水性能はかなり向上していると思われる。覆いとして機能するジッパーのナイロンテープが撥水処理されていればかなりの高い効果が期待できると考えられるね。動きもスムーズで非常に好印象だった。残念ながらうまく撮影できなかったので写真を載せることができませんでした。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 アウターの雨具ということで襟の部分はかなり高い、襟にはフードが内臓されているのでそれなりの雨量でも対応できそう。耐水圧も縫製部のシール処理とあいまってかなり期待出来そうに思える。耐水圧の高さは暴風下での活動では絶対条件なので高ければ高いほど良いが、軽量であることや収納性、価格とのバランスが難しい要素でもあるよね。
 雨具としての性能で気になるのがフロント・ジッパー部分からの雨水の浸透問題だと思う。着脱を考えれば前面が開放されるに越したことがない。しかしジッパーは雨水の浸透に対して弱点になりうるので、止水ジッパーを採用したり、ジッパー部分も短くして、プルオーバーデザインを取り入れたりしている。レベル6ではそのいずれでもないので、ジッパーに対して防水用のフラップをベロクロで固定するデザインを取り入れている。最近のベロクロの固定性能は格段に向上しているので風によって開いてしまうような心配もないだろう。レベル6のフロントジッパーは従来型の2ウェイジッパーが採用されている。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 袖の部分の調整はベロクロ付きのストラップで行うオーソドックスなもの。この手のレインスーツには一般的に良く見かける物だけれど、ゴアテックス・パーカーに慣れた私には若干頼りない印象に映りますね。小ぶりな作りで、防寒用手袋などを装着しての調整は不満のないレベルではあるが快適とはいえないと思う。調整の幅は広く実用的であると思う。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

調整の裏側はゴムが入り伸縮するようになっている。これも一般的な手法ですが、ストラップで締め上げればかなり袖口からの浸透を抑える効果が期待できる。腕の外側の袖口から肘にかけては、写真では分かり辛いが、コーデュラナイロンで補強されている

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 フロントジッパーはプラスチックジッパーの2ウェイタイプ。2ウェイタイプは使い続けると噛み合わせがうまくいかなくなったり、強度に不満が出やすいが、使用に際してはあると便利。手袋を着けての使用を考えてジッパータブに長めのナイロンコードを取り付けている。現在はこのコードはフォリッジ・グリーンが採用されているが、初期に見かけた時には黒色のコードであったと記憶している。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 上の写真だけではわかり難いと言う事でジッパー部分の拡大写真です。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 ジャケットの裾を締めるためのコード、PCUではこの方式を採用していたが、MCUでは服の裏側に移設されていた。
風雨を避けるためジャケットの裾を締め込んで下から雨水などが入り込まないようにしたり、風の進入を抑え、体温を奪われないようにするための物なのだが、ジャケットの下から絞めこんだ分だけコードが出るので周辺の突起物に引っ掛けやすいという問題がある。特に森林などではなおさらだ。そこでMCUでは内側に調整を入れたと思われるが、今度は調整のためにジッパーを開放しなくてはならないことが不具合とされたのだろうかね?5.11のジャケットなどではポケット内に調整を持たせるデザインでこれを解決しようとしているが、今度は鍵などを入れておくとそれに引っかかるんだよね。最良の解決策はないというところかね。

Gen.3 パーカー Lv.6 Vol.2

 軍物ということで気になるのがタグなんですけど、まぁ・・通常の通り官給タグがつきますね。個人的な感想ですがGen.Ⅲの黒いタグがどうも頂けない。オフィシャルの軍用官給品ですと書かれているのが一寸ね。80年代によくあったARMY WEARとか、書かれてあった偽物の服を思い出しますね。

TEXT BY TAC




 この度、イベントのみで販売をしてきた当USARV-TAGですが、ミリブロマーケットにて通販業務を開始することになりました。本格的な業務開始は2010年7月7日の予定です。ただいま先行的に商品を掲載し始めておりますが、開店準備のため配送準備が完了しておりません。ご注文は可能ですが場合によっては7月7日まで配送が出来ない場合がありますのでご了承ください。7月5日以前の配送可能商品に付きましてはメールにてお問い合わせください。また、ご利用に際しましては利用規約をお読みいただいた上でご注文ください。

 現在は実験的に掲載している状態ですので7月中旬までに衣類、装備品を徐々に掲載を増やしてゆくつもりです。

 数量限定品や一点ものを数多く取り扱いますのでよろしくお願いします。7月2日から4日までは定休日となります。http://usarvtag.militarymarket.jp/




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この記事へのコメント
初コメです。

最近のウェアは防水性能が随分良くなっているので、いい加減10年近く前のジャケットは捨ててしまおうかな…と考えたり。
このパーカーは動きへの制限も少なさそうだし、以外と気にしない人が多い耐水圧もしっかりしてそうなので、個人的に少し食指が動きますね・・・。ただ、プラスチックジップは以前ズボンのファスナーの歯が欠けてしまった経験もあって、未だに少し苦手意識があるんですが、最近は丈夫になったのかな?
これからも更新楽しみにしています。

P.S. ちなみに読んでいて気になったのですが、「ベロクロ」ではなく正しくは「ベルクロ」ですよ(苦笑)
Posted by ASD at 2010年08月07日 15:41
コメント有難うございます。
確かに、レインウェアーの性能は進化も著しく、特にこのGne.Ⅲでは陸軍からの要求である、軽量化の課題に上手に答えているようです。
 動きに対する制限も確かに従来のゴアテックスパーカーに比べて向上しているように感じます。個人的にはオートバイに乗るので横腹の部分にギャザーでもついていてくれればもっと良かったと思っています。
 プラスチックジッパーの強度に関しては、いつ頃の物と比べていらっしゃるのか分かりませんが強度は向上しているように聞いています。ただし、プラスチックの宿命で経年劣化は避けられないので強度の低下は年を追うごとに進んでゆくものと考えてください。メタルのジッパーでも歯欠けは起こる物なので無理に力をかけすぎないなどの気遣いは同じかもしれません。

 ベルクロですか、英語の表記も進化しているのですね。私のような中年ともなるとマッジクテープの言い方すら通用してしてしまいます。1980年代にはベロクロの言い方が主流でしたので、そのまま表記し続けていましたし、正直未だに普通にベロクロと説明し続けていました。
 同じよう物でこの記事のVol.1にある、防水処理面をコーティングと書いていますが、正確にはラミネートなのです。僕らの世代ではラミネートとはパウチ(これもあまり聞かない言葉になりました。)をイメージする事が多いので、熱を加えながら圧力を加え密着させる技術を連想しづらいと考えてコーティングとしましたが若い世代の方にはラミネートで通じたのかもしれないと思ったりします。
 先日、DRI-LUXというゴアテックスと基本技術を同じにする製品の話をした時に連続多孔ポリマー(ePTFE)の話になり、「ラミネートされているという事ですよね。」と言われ、今はそのまま通じのるかと感じたばかりです。
 言葉も若い人たちに合わせられる様に勉強していかないといけないなと考えています、少し読みにくい表現や表記がこれからも出てくると思いますが、その辺を加味しながら、「しょうがねーな。」と上手くやり過ごしてくださいね。
また表記について、今はこう言わないなと思うものがあったら教えてくださいね。
Posted by USARV-TAGUSARV-TAG at 2010年08月09日 22:17
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