2010年07月07日
USMC CD Jacket 180S Vol.2
USMC DCJ 180S Vol.2
砂漠での作戦に特化した戦闘用アウターとして開発されていると言う、CDJなんだけれど、実際の砂漠環境となると本当のところあまり、イメージの沸くものでもないな。
昼夜の気温差が40度近くなることもある。そんな過酷な環境だったり、砂嵐や昼間の焼けるほどの強い日差し、乾燥した空気とか特殊な自然の現象や状態であることは知識の上では知っているけれど、これまでの知識を経験で補いながらいイメージを作って「これは砂漠で使って見たら調子よさそうだね。」なんていえる様にはなりそうもない。
砂漠での使い勝手は検証できなくとも、これって、まあまあ日本で使えそうに思うよ。こんな感じの微妙な評価基準で前ええっ・・・進め!
基本的には昼間の高い気温と日差しのため、通気を確保しながらコア熱を下げ、逆に夜間では急激に下がる気温に対して保温性能を持たねばならないわけだね、この辺は前回に生地の話なんかと一緒に書いているので興味のある人は目を通してください。
全体的なシルエットは今アメリカ軍で流行のマルチレイヤーシステムのジャケット、スポーツジャケットのデザインの流れの中にあるものですね。丈は短く動きやすい反面、腰の辺りまでは覆うことができないので防寒としては不利になると思う。
サイズ的にはスリムな印象でタイトなつくりとなっている。背中や腹部に伸縮するソフトシェルの生地や脇から腕にかけてとわき腹にかけて伸縮性の高い生地を採用して動きやすく作られているね。あまり、重ね着をするようには考えられていない印象で通常のMARPATシャツとかFROGなんかと合わせて使用する目的でデザインされていると思える程ではないにしろ、レイヤー3までを重ね着して使用する余裕はないと思う。シャツにフリースジャケットで一杯一杯ではなかろうかね。
ポケットは表面に合計で4個、小型ポケットが左肩と左胸に一つづつ、腹部に大型ポケットが左右各一つづつ、ポケットはすべて防水ジッパーで開閉されるように出来ている。
ジッパーにはすべてタブに長いナイロンテープがついていてあまり見た目に格好のよいものではないが、手袋を使用しての開閉が楽になっている。この辺もマルチレイヤーシステムの流れの中にある共通の配慮だね。実用に徹したデザインは個人的には好みだな。
フロントのメインジッパーはこれも防水ジッパーでワンウェイ式となっている。陸軍のジャケットではコイルジッパーやプラスチックジッパーが多く採用される中、海兵隊のウエアーでは防水ジッパーを採用する流れになっているのだろうかね。
ジャケット背面の写真。これでは確認しづらいのだけど肩から背中にかけて円形にステッチがあるのが分かるだろうか?ジャケット正面にも同形状のステッチがあるんだけど、この肩部分に使用されているのがゴアテックスになる。腰の部分にコヨーテ・ブラウンの生地に張り出している部分があり丁度、張り出しをつなぐと長方形に見える部分もゴアテックスを採用している部分になりますね。このジャケットに関して、ゴアテックスの採用は生地の補強と通気を目的にしているのではないか思う。砂漠では雨が降ることが稀だと言う事もあるが、バックパックのショルダーストラップやウエストパッド等で負荷のかかりやすい場所にゴアテックスを配置しているのがその理由で、動きやすくするためのコヨーテ・ブラウンの伸縮素材もわざわざ切り詰めて腰の部分にゴアテックスを施している。ジャケットのフロントでは肩の部分のみがゴアテックスで胸部から下はソフトシェル素材を使っている。
正面の写真では胸部と腹部の境にステッチがあるがポケットを分けるためのステッチであり、立体的な裁断とするためのデザイン的なものであって素材の変更はない。
また肩にゴアテックスの様な素材を採用したことで目の粗い生地に比べて、紫外線の透過を防ぐ狙いもあるのではないかな?ゴアテックスの性能はよく分からないが、6カラーデザートが1980年代に始めて採用された時、肩の部分が二重になっている物があった、勿論強烈な太陽光を遮断し、太陽熱で被服内部が高温にならないように配慮されたものだったね。体内温度の上昇は結構、危険なことであって身体に過度のストレスを与え、疲労を増大させる結果を招く。日本でも温暖化で熱中症対策なんて言葉がこれからの季節に今年も出てくると思うけど、場合によっては身体の調整機能を失って死にいたる危険な状態なんだよね。
コヨーテ・ブラウンの生地は丁度、薄手のジャージの生地の様な風合いだね。化繊で出来ているのだと思う。湾岸戦争以来支給されているネック・ガターを知っていれば、まぁ・・・そんな生地ですよ、多分ね。
バラクラバ(強盗が使うイメージのあのマスクね。)の生地みたいな物ですね。もちろん毛糸の物ではないですよ。
このジャケットが雨天の使用をあまり考えていないと感じるのはこの素材を大きな面積で使用している所だったりする。淡防水程度の処理は施されていると想像できるが長時間の降雨に防水性能を発揮し続けるとは考えにくいね。
どちらかと言えば動きを確保し、脇から放熱しながら、通気を確保するためにこの素材を採用して上手くバランスさせようとしたのではないかなと思う。このコヨーテ・ブラウンの生地、伸縮性があると散々書いているけど所謂、柔らかい民生品の伸縮生地とは異なる、アンダーアーマーのヒートテックT-シャツを少し厚くしたような感じといえば想像できるかな。
立体裁断されゴアテックスの様な伸縮性のない硬い素材と組み合わされているが、ステッチから穴が広がってゆく様な事はすぐには起らないだろうね。動きやすさと引き換えに、この部分が若干ウイークポイントになる事を考慮して、もっとも負担のかかる脇腹の部分にソフトシェルの素材をあわせたとも考えられるね。
袖の下までコヨーテの素材が使われている。ここでは伸縮性のある素材を使うメリットはないので、伸縮性能というよりは通気性などの放熱効果を狙って使用していると考えられないかね。
細かい仕様など書ききれないのでVol.3へ続く・・・。
TEXT BY TAC
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本日、配送準備が整い通販業務を開始いたします。
もとより、輸入サンプル品などを扱っておりましたので一点物や数量限定の品を提供しようと考えております。よろしくお願いします。http://usarvtag.militarymarket.jp/