2008年07月16日
ブラックウォーターギア I-O ZIP VEST Vol.2
BLACKWATER GEAR I-O Zip Vest ~Vol.2~
今回は前回の続きで紹介し切れなかった I-O Zip Vest の各部機能について書くことにします。
外見上の特徴については前回のVol.1で述べているのでそちらも見て下さい。

タクティカル・ベストは各ギア・メーカーが色々な使用条件を想定してデザインしているので、本来は多様性を持っているのだが、タクティカル製品も市場の原則の中にあって価格や生産性、顧客からの要求等によって段々と淘汰されデザイン的にも似た物が多くなる傾向がある。ブラックウォータ・ギアは機能的にブラックウォーターの要員からもたらされる要求をフィードバックしながらデザインされている為か、欲張りとも取れる機能が詰め込まれている。
ありそうでなかった独特の機能は個々人の好みによると思うが非常に冒険的な試みだと私自身は思っています。

フロントジッパーをひらくとベストの正面が双方ベロクロで固定されています。

ベストの合わせ部分の裏側。 大きなベロクロが付いています。
勘の良い人ならお分かりでしょう。これは耐弾素材を収納する袋になっています。着脱式で必要のない場合には外しておけるようになっています。5.11タクティカルでも一時期にタクティカルベストにレベルⅢの耐弾素材を内包したものがリリースされていましたが、タクティカル・ベストに防弾性能を追加する目的でこのベストはデザインされているのです。

左側の裏です。防弾素材を内包するパックが上下から外れないようにベロクロ付のタブで押さえ込まれています。

この様に完全に着脱することも可能です。低危険度の任務で使用しない事を想定していると思われますね。


上の写真はベストの合わせ部分に取り付けるための大型ベロクロが付いている面です。
下の写真は脱落を防止し、固定しておく為の小さなベロクロが付いている面です。

背面のパネルの裏側の写真です。見難いですがべロクロの付いたスロットがあり、防弾素材を収納することができます。

スロット部分の拡大。差込口が大きくとってあるので出し入れは容易でしょう。


肩口の調整部分。写真の位置は背面となります。ショルダーストラップの裏側にはベロクロが付いており、現在最大位置にしてありますが、本来はベロクロ部分までショルダーストラップを引っ張って固定し、ナイロンテープを金属の四角い金具で折り返して調整します。
この方式はベストの重量が大きくなることを考慮して作られているのでしょう。
ドラッグハンドルも装備しています。

ベストの下部に四角いプラスチックが付いています。ベルトなどを固定する物ではないかと思う。

ベストに防弾性能を併せ持たせると言うコンセプトは今までも幾つかのメーカーで試みられてきた手法だが、プレートキャリアに収納を持たせると言うコンセプトの方が一般的に受け入れられてきたし、低危険度ではソフトアーマーの上にべストを着用する対応が広く受け入れられてきた。
一般の人には実弾で撃たれる予定ないし、との声も聞こえそうだけれど・・・。
常に撃たれる可能性のある人たちが選択肢の中のひとつとしてこの様な物を開発してきたと思うと・・どう?。面白いと思いませんか?
Text By TAC
今回は前回の続きで紹介し切れなかった I-O Zip Vest の各部機能について書くことにします。
外見上の特徴については前回のVol.1で述べているのでそちらも見て下さい。
タクティカル・ベストは各ギア・メーカーが色々な使用条件を想定してデザインしているので、本来は多様性を持っているのだが、タクティカル製品も市場の原則の中にあって価格や生産性、顧客からの要求等によって段々と淘汰されデザイン的にも似た物が多くなる傾向がある。ブラックウォータ・ギアは機能的にブラックウォーターの要員からもたらされる要求をフィードバックしながらデザインされている為か、欲張りとも取れる機能が詰め込まれている。
ありそうでなかった独特の機能は個々人の好みによると思うが非常に冒険的な試みだと私自身は思っています。
フロントジッパーをひらくとベストの正面が双方ベロクロで固定されています。
ベストの合わせ部分の裏側。 大きなベロクロが付いています。
勘の良い人ならお分かりでしょう。これは耐弾素材を収納する袋になっています。着脱式で必要のない場合には外しておけるようになっています。5.11タクティカルでも一時期にタクティカルベストにレベルⅢの耐弾素材を内包したものがリリースされていましたが、タクティカル・ベストに防弾性能を追加する目的でこのベストはデザインされているのです。
左側の裏です。防弾素材を内包するパックが上下から外れないようにベロクロ付のタブで押さえ込まれています。
この様に完全に着脱することも可能です。低危険度の任務で使用しない事を想定していると思われますね。
上の写真はベストの合わせ部分に取り付けるための大型ベロクロが付いている面です。
下の写真は脱落を防止し、固定しておく為の小さなベロクロが付いている面です。
背面のパネルの裏側の写真です。見難いですがべロクロの付いたスロットがあり、防弾素材を収納することができます。
スロット部分の拡大。差込口が大きくとってあるので出し入れは容易でしょう。
肩口の調整部分。写真の位置は背面となります。ショルダーストラップの裏側にはベロクロが付いており、現在最大位置にしてありますが、本来はベロクロ部分までショルダーストラップを引っ張って固定し、ナイロンテープを金属の四角い金具で折り返して調整します。
この方式はベストの重量が大きくなることを考慮して作られているのでしょう。
ドラッグハンドルも装備しています。
ベストの下部に四角いプラスチックが付いています。ベルトなどを固定する物ではないかと思う。
ベストに防弾性能を併せ持たせると言うコンセプトは今までも幾つかのメーカーで試みられてきた手法だが、プレートキャリアに収納を持たせると言うコンセプトの方が一般的に受け入れられてきたし、低危険度ではソフトアーマーの上にべストを着用する対応が広く受け入れられてきた。
一般の人には実弾で撃たれる予定ないし、との声も聞こえそうだけれど・・・。
常に撃たれる可能性のある人たちが選択肢の中のひとつとしてこの様な物を開発してきたと思うと・・どう?。面白いと思いませんか?
Text By TAC
2008年07月16日
USMC Rigger Belt
USMC Rigger Belt

今更、リガーベルトという感じはあるな。やっぱり・・・。
現代のアメリカ軍装備としては基本的なものだし、実物官給品を含め民生品とあわせると、かなり普通に出回っているアイテムなので特に目新しい物でもない。
今回はその中でも少し珍しい色のものを持っているのでわざわざUSMCと銘打って紹介することとした。あんまり確証に自信はないんだけれど。

アメリカのバージニア州にクアンティコと言うアメリカ海兵隊の本拠地がある。戦術研究や技術開発部門などで知られる大掛かりな施設なのだが、ここでは近接戦闘(CQB)と徒手戦術を組み合わせた総合体術を2001年に体系化して教育プログラム化している、いわゆるMCMAP(Marine Corps Martial Arts Program)がそれだ。
過酷と評され訓練中に死者を出すこともある海兵隊の銃剣術を含み、それまで海兵隊が独自に持っていた格闘術を組み合わせた物のようだ。
兵器が著しく発達した現代にあって、あらゆる状況下で対応できるように格闘戦術を本気で取り入れている姿勢の表れかな。


海兵隊でリガーベルトがMCMAPの習得度を現すと言うことはよく知られるところだね。今回、このブログを書く事を決めたのは、今までかなり程度の悪いグレイのリガーベルトしかもっていなかったところ、未官給品で手に入れることができたから、このグレイは民生でも作っていなくて、なかなか手に入らなかったんですよ。ランク的には高くないのである所にはあるんでしょうがね。
参考までに書いておくと習熟度を表すベルトの色は次の通り。
タン(ベージュ)が最も低く基本訓練修了者
グレイ(セージ)初等中級者 初級下士官クラスはこのレベルが求められる また強襲部隊要員には必須。
オリーブグリーン(OD)中級者 LCpl(E-3)クラス以上ではこのレベルの取得を望まれる。指導教官用にはタン色のラインが縦に1本入ったものが用意される。
ブラウン(コヨーテ)高等中級者 Cpl(E-4)クラス以上ではこのレベルの取得を望まれる。指導官用は同様のラインが入ったものが用意されている。
ブラック 上級者 Sgt(E-5)クラス以上ではこのレベルの取得が望まれている。指導官用は同様のラインが入ったものが用意されている。また、指導官養成資格の有資格者にはタン色のラインの代わりに赤色のラインが入った物が支給される。指導官養成資格はブラックベルトの資格者のみで構成され、さらにレベル2(2nd Degree)から5まで分類されている。ちなみにレベル1(1st Degree)はブラックベルト資格者。

上がタンのベルト、下がグレイ グレイはセージに近く、新品時にはダークグレイに見える。

右がOD、左がコヨーテブラウン ブラックのベルトはどっかに仕舞い込んで見つかりませんでした。
リガーベルトは現用アメリカ軍の個人装備と目されているが、実の所、それ以前から使用されていた事実がある。勿論、正規に官給されていた物ではないのだが、ベトナム戦争時代に特殊部隊によって使用され始めていた。ズボン用のベルトとしてではなく、どちらかと言えば装備用のベルトとしての使い方が一般的だったと私は信じている。つまりピストルベルトの代りとしての使い方だね。
当時は貨物を固定するストラップを適当な長さに切って使っていたようで、A-7Aストラップを使用することが多かったと思う。
ベトナム戦争で使用されていたこのベルトを1本持っているが金具はそのまま、ナイロンはODで当時の赤いステッチが中央に入っているものだったりする。他にもう少し厚みのあるナイロンでODのみの物も使われていたようだ。
TEXT By TAC
今更、リガーベルトという感じはあるな。やっぱり・・・。
現代のアメリカ軍装備としては基本的なものだし、実物官給品を含め民生品とあわせると、かなり普通に出回っているアイテムなので特に目新しい物でもない。
今回はその中でも少し珍しい色のものを持っているのでわざわざUSMCと銘打って紹介することとした。あんまり確証に自信はないんだけれど。
アメリカのバージニア州にクアンティコと言うアメリカ海兵隊の本拠地がある。戦術研究や技術開発部門などで知られる大掛かりな施設なのだが、ここでは近接戦闘(CQB)と徒手戦術を組み合わせた総合体術を2001年に体系化して教育プログラム化している、いわゆるMCMAP(Marine Corps Martial Arts Program)がそれだ。
過酷と評され訓練中に死者を出すこともある海兵隊の銃剣術を含み、それまで海兵隊が独自に持っていた格闘術を組み合わせた物のようだ。
兵器が著しく発達した現代にあって、あらゆる状況下で対応できるように格闘戦術を本気で取り入れている姿勢の表れかな。
海兵隊でリガーベルトがMCMAPの習得度を現すと言うことはよく知られるところだね。今回、このブログを書く事を決めたのは、今までかなり程度の悪いグレイのリガーベルトしかもっていなかったところ、未官給品で手に入れることができたから、このグレイは民生でも作っていなくて、なかなか手に入らなかったんですよ。ランク的には高くないのである所にはあるんでしょうがね。
参考までに書いておくと習熟度を表すベルトの色は次の通り。
タン(ベージュ)が最も低く基本訓練修了者
グレイ(セージ)初等中級者 初級下士官クラスはこのレベルが求められる また強襲部隊要員には必須。
オリーブグリーン(OD)中級者 LCpl(E-3)クラス以上ではこのレベルの取得を望まれる。指導教官用にはタン色のラインが縦に1本入ったものが用意される。
ブラウン(コヨーテ)高等中級者 Cpl(E-4)クラス以上ではこのレベルの取得を望まれる。指導官用は同様のラインが入ったものが用意されている。
ブラック 上級者 Sgt(E-5)クラス以上ではこのレベルの取得が望まれている。指導官用は同様のラインが入ったものが用意されている。また、指導官養成資格の有資格者にはタン色のラインの代わりに赤色のラインが入った物が支給される。指導官養成資格はブラックベルトの資格者のみで構成され、さらにレベル2(2nd Degree)から5まで分類されている。ちなみにレベル1(1st Degree)はブラックベルト資格者。
上がタンのベルト、下がグレイ グレイはセージに近く、新品時にはダークグレイに見える。
右がOD、左がコヨーテブラウン ブラックのベルトはどっかに仕舞い込んで見つかりませんでした。
リガーベルトは現用アメリカ軍の個人装備と目されているが、実の所、それ以前から使用されていた事実がある。勿論、正規に官給されていた物ではないのだが、ベトナム戦争時代に特殊部隊によって使用され始めていた。ズボン用のベルトとしてではなく、どちらかと言えば装備用のベルトとしての使い方が一般的だったと私は信じている。つまりピストルベルトの代りとしての使い方だね。
当時は貨物を固定するストラップを適当な長さに切って使っていたようで、A-7Aストラップを使用することが多かったと思う。
ベトナム戦争で使用されていたこのベルトを1本持っているが金具はそのまま、ナイロンはODで当時の赤いステッチが中央に入っているものだったりする。他にもう少し厚みのあるナイロンでODのみの物も使われていたようだ。
TEXT By TAC