スポンサーサイト


上記の広告は1ヶ月以上記事の更新がないブログに表示されます。
新しい記事を書くことで、こちらの広告の表示を消すことができます。  

Posted by ミリタリーブログ at

2008年04月14日

Molle アリスクリップ アダプター

SDS Molle ALICE Clip Adaptor



 アメリカ軍の装備というのは全く至れり尽くせりだね。さすが、世界第一位の軍事大国と言うだけはあるといつも感心させられる。日常の生活の中で使用するものは殆ど官給品でまかなえると思えるほどだ。
 最低限の生活物資意外は全て揃えなくてはならない、もしくはそれすら完全な支給とはならない様な軍隊が世界には多くある中で特筆的な存在だね。
 兵士の個人戦闘装備品に関しても、第二次世界大戦以降、常に研究開発を続け先進的な可変要素を持つ、モジュラー装備の開発に革新的な存在であり続けている。
 アメリカ軍の個人装備品固定法は大まかに分けて1900年代前般から中盤までにベルトループ式とワイヤー吊金具、1950年代中盤以降からALICEクリップ式、90年代からMolleをはじめとする、ナイロンループを使って固定する方式に変化してきた。
 アメリカ軍のように巨大な兵力を抱え構成人員も大規模な組織では固定法の変更は新旧の装備品の間で問題が起こりやすい。全軍が一斉に新装備へ移行するなど物理的に不可能であることは簡単に理解できる。まして全世界的に展開するアメリカ軍は海外の駐屯地に戦時に備え多量の物資、装備を備蓄している。それらは新型装備の登場と共に旧式な物となってしまうし、全ての備蓄を新装備へ変更するのには多くの時間を費やす。
 移行の時期には新旧の装備品が同一部隊の中で平行して使われることも想定されるわけだ。この時期に万が一、長期戦に発展するような事態が発生する場合、前線部隊が必要な装備品を固定法の違いから使用できないと言う事態も起こりうる。
 補給における戦略は軍の機能上軽視できない問題であるし、潜在的な軍事行動力に大きくかかわる問題だ。
このような事態を避ける為、新旧装備品の互換性という問題がある。旧装備品を新装備品に一時的にせよ使用可能な状態にするものだ。この分野でアメリカ軍は非常に真面目に取り組んでいて、最近まで使われていたLC-2AピストルベルトやCFP-90バックパックにさえワイヤー吊り下げ式に対応する金属製の小さなグロメットが装備されていたりする。
 今回のMolle ALICEアダプターはなんてことない小さな補助装備品なんだけれど、アメリカ軍の本気と凄さを感じる一品だと思うな。


Molleアダプターの正面。ナイロンテープに部分にALICEクリップで装備を固定することでMolle装備へ装着が可能になる。
イラク戦の初期に海兵隊等がインターセプター・アーマーベストにLC-2の新型4連マガジンポーチをつけている写真が多く見られたが、このアダプターを使用して固定していたと思われる。色は他にデザートタンがある。ウッドランド・カモの物はスピアー装備の付属品だ。形は同じだけれどね。
小さなグロメットが2つ付いているこのアダプターにおいても、前時代的なワイヤー吊り式の装備に対応が考えられていることが分かる。
 自衛隊でもMolleを模した装備品が出回っているがこの手のアダプターって存在するのかね、このアダプター一時、自衛隊員がよく買って行ったけれど・・・。

Text By TAC
  


Posted by USARV-TAG at 18:38Comments(0)雑装備